山吹舎
「山吹舎」は、昭和3年に入所者自身の作業によって建てられた木造平屋建てで、昭和52年まで男子独身寮として使われていました。十二畳半の部屋が4つあり、多いときには1部屋に8名が入居し30人以上が生活していたことがありました。建築当初は、廊下にはガラス戸がなく雤戸だけだったため、冬には室内で薪を燃やしお湯を沸かして暖をとっていました。
使われなくなってから雤漏りがするなど傷みが激しくなっていましたが、平成15年11月に「人権の森」構想事業のひとつとして入所者の方々の努力と多くの人の募金により復元されました。この構想はハンセン病の苦難の歴史を後世に伝えるため、入所者の人々が思いを込めて植えてきた緑とともに、歴史的建造物等を残すものです。修復された山吹舎は南門の近く、望郷の丘のとなりにあります。
出典:「全生園とハンセン病を知る」 編集・発行 東村山市立図書館
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04月, Article, Selection